2008年10月28日火曜日

東京都美術館

 J大学にて非常勤の講義。その後、秋葉原に向かう。駅前、ラジオセンターの2階に、レンタルボックスショップがあり、ときおり覗いている。フィギュアとかではなく、フィルムカメラやレンズ、真空管アンプやらを売る我々オヤジのための店である。これといったものはない。総武線高架下、中央通りの歩道を渡り、浜田電機にてUSBメモリ用としてマイクロSD2Gを500円にて購入。安くなったものである。その後、中古PC屋GENO。NECが以前に出した15インチQXGAノートPC(解像度なんと2048×1536ピクセルで通常のXGAノート4枚分!)を28,800円で売っている。これはレア中のレアであって、しかも安い。そして、地理情報システムで地図を描くに適す。しばし思案するが止めておく。タムタムをのぞいて直下の末広町駅から銀座線で上野駅へ。目指すは東京都美術館である。

 上野公園へ上る手前の上野松竹デパートには以前の面影はない。学生時代にここで寅さんをみたことがある。観客は大笑い、ずいぶんと盛り上がっていた記憶がある。今では、雑貨屋、古本屋などが入っている。古本屋に引き込まれる。何軒かの古本屋が出店する古本市のレイアウト。いろんなジャンルが入り交じる混然とした様が良い。極力、本は買わないようにしているのだが、展覧会図録「ハンガリー国立ブタペスト美術館所蔵 ヨーロッパ風景画の流れ」「バルビゾン派をめぐる画家たち」を購入する。場所柄か、こうした図録が多い。なぜに、これらを買ったかというと、、、
 昨年の秋に、埼玉県立美術館にて特別展「田園讃歌-近代絵画に見る自然と人間-」が開催された。そこで、美術館と大学とで一連の講座を設け、「田園の消費と創造-ドイツのルーラル・ツーリズムを通して」なる題で話をする。そこでは、猛々しい自然ではなく、何気ないどこにでもある田園に価値が見いだされ、観光・レクリエーションの場として「消費」されていくプロセスを、そして、逆に農村における観光・レクリエーションの進展を通して、田園という場、そして風景が形成・維持されている、すなわち「創造」されている現状を扱った。
 その展覧会では、ミレー、モネなどヨーロッパの画家と、浅井忠、黒田清輝など日本の画家双方による田園風景画が展示されていた。ヨーロッパの風景画は、風景全体を、そのかたちや色を表現しようとし、人もまた風景を構成する一部として描かれているのに対して、日本の風景画は、農村風景を背景として、農民、そこに生きる人に主として焦点を当てているように思えた。むろん、主題は、絵が描かれた時代背景にもよろうが。また、日本に滞在していたフランス人風刺画家ビゴーが描いた日本の風景画が展示されていたのだが、湿度が低くてメリハリのある光を放つヨーロッパの風景を思い起こさせる色使い。一方で、名前は忘れたが日本人画家が描いたヨーロッパの風景画もあって、こちらは日本的、モンスーンのよどんだ空気を彷彿させるものであった。

 上野公園では大勢の人が行き来する。都美術館では「フェルメール展」、国立博物館では「大琳派展」と、人が集まるような展覧会をやっており、月並みながら「芸術の秋」といったところ。西洋美術館は北欧の画家を扱う渋い企画。が、今日の目的は、都美術館のima展。マンハイムのゲーテインスティチュートにて語学研修を受けた際に知り合った画家Mさんより招待状を受けてのことである。昨年にも、埼玉県立博物館にて彼女の絵をみ、久しぶりに会うこともできた。多数の作品が並ぶが、すぐに彼女の作品を発見する。テンペラ画。大小無数のシャボン玉(?)が光を受けて輝く。中央の大きなシャボン玉の中には、両手を広げた長い髪の若い女性が遠くを見つめている。凛としたまなざし。彼女の上方には寺院がそびえ、斜め上からは、子ヤギ(?)を抱いた女性が聖母のごとく優しくほほえんでいる。「fantasia 2008」と名付けられた作品、中央の女性は、現代の、そして東洋のキリストか、、、、、。
 同展で展示される作品の多さ、そして表現の多様性。これ以外にも平行して、陶器や写真などをはじめ幾多の展覧会が開催されている。改めて、日本における美術・工芸の裾野の広さを感じる。東京ならでは、といえないこともないが、地方においても同様に、幾多となく愛好者がいて同様の会が催されていることであろう。こうした美術・工芸のアマチュア、セミプロの頂点に立つプロは、国際的にもむろん競争力をもつことになろう。漫画・アニメもしかりである。
 フェルメールをみようかとも思ったが止めておく。フェルメールの数少ない作品の中に、なんと「地理学者」がある。これはフランクフルトのシュテーデル美術館にあって、何度かみている。その絵はがきも幾度も買って、幾度か日本に送ったこともある。残念ながら、今回、この作品は来ていないようである。

 上野駅にて、ブルーバックス「デジタルカメラ「プロ」が教える写真術」を購入し、高崎線に乗る。ページをめくりながらウトウトと。浦和駅にて下車、伊勢丹地下のワイン売り場へ。イタリア・フェアとかで、イタリアからの輸入という焼き栗を売る。向こうの栗は皮離れがよく、小気味よく口にほおばれる、そして、今が旬。思わず手がでる(が、家に帰って食べてみると、虫食いも多く、新鮮とは言えない!)。フランス人地理学者であり、「美食の地理」という著作もあるピットが、栗の文化史をテーマとした本を書いている。原本を持つも、フランス語は十分に読めないし、翻訳もされていない。「チロルにおける栗栽培」という、こちらはドイツ語の本もある。ヨーロッパにおける、そしてまた日本を含めたアジアにおける「栗」文化はおもしろいテーマであろう。
 ワイン購入は基本的に1000円前後までと決めている!スペイン、カスティリャのテンプラニーリヨ種を購入、1350円也。テンプラニーリヨはコストパフォーマンスが高い、と飲みながら思う。

 
 

2008年10月25日土曜日

地図教室

 埼玉県立文書館地図センター主催の地図教室で講師。例によって、ぎりぎりまでの準備で昨夜の就寝は4時。資料を自宅のインクジェットプリンターにて印刷したところ、あっという間にインクがなくなってしまう。
 中学生から80歳まで34名の参加者には幅があったが、やはり60歳前後の世代が多い。街歩きや山歩きがちょっとしたブームか、50名近くの応募者があったとのこと。午前は、講義室にて地図について紹介し、午後から、地図を手にして文書館から南与野駅まで歩く。コースと見学ポイントは以下の通り。満足してもらえたか、アンケートが気になるところ。




1.地図記号:水準点=何の基準でしょうか?
2.住宅地の道路形態=道路網にどんな特色があるでしょう?
3.地図記号:針葉樹=ラクウショウとメタセコイアの違い?
4.地図記号:神社=どんな神社でしょうか?
5.東西に走る道路=どんな地形に立っていますか?
6.川と周辺=川はどんなところを走っていますか?
7.高沼川=川はどんな特徴をもっていますか?
8.土地利用と地割=どんな利用がされていますか?
9. 川と周辺=川はどんなところを走っていますか?
10. 地図記号:神社=どんな神社でしょうか?
11. 地図記号:工場=周辺の様子は?
12. 地図記号:交番
13. 地図記号:墓=周辺の様子は?
14.遊水地:役割はなんでしょう?
15.水田?畑?=水はどこから?
16. 地図記号:広葉樹=屋敷林はどこに?
17. 地図記号:学校
18. 地図記号:三角点=何の基準でしょうか?
19.南与野駅:再開発の様子は?